日本こども育成協議会

《会員事業者Yさんのお悩み!》

『人事労務部門のみなさん、処遇改善交付申請の際の在籍証明書の必須記載項目を知っていますか?』

 某会員事業所にて補助金申請を担当している社員Yと申します。
 みなさんは、退職した元施設職員(保育士等)から在籍証明書の発行依頼を受けたことがありますでしょうか?また「何のために必要か」「記載内容として何が必要か」を正しく理解して発行されていらっしゃいますでしょうか。
 弊社にご入社していただいた施設職員の方に過去の職場での在籍証明書を提出していただいた際、記載内容に不備があるために、せっかく取得していただいたにも関わらず再取得する羽目になったり、行政に提出することができなかったりということが多々あります。同じような悩みで頭を抱えている補助金担当者や、本来であれば受給できたであろう処遇改善補助金単価が減少して落胆している経営者の方も多いのではないでしょうか。
 そこでこの場を借りて「何のために必要か」「記載内容として何が必要か」をご説明させていただきます。発行元の担当者が正しい知識をもって発行することにより、受手側事業者の度重なるチェック手間及び再取得依頼手間、発行元事業者の再発行手間、職員(保育士等)自身の再取得手間が省け三者ともに『Win-Win-Win』になりますので是非この機会に正しい知識を身に着けていただければ幸いです。

【目的】
 処遇改善等加算は加算率(施設職員の平均経験年数によって確定)によって単価が異なります。そして平均経験年数は在籍証明書にて算定されます。
 すなわち事実としていくら経験年数があったとしても在籍証明書が未提出だったり、内容に不備があった場合、その施設での経験年数はカウントしてもらえません。

【記載必須の6項目】 
 行政に有効な在籍証明書として認定してもらうには以下6項目の記載は必須になるかと思います。1項目でも不備・漏れがあった場合は無効となってしまいます。
1.氏名
(旧姓でも問題なし)
2.生年月日
(同姓同名の別人か否かの判断および旧姓・新姓の場合に同一人物か否かを判断)
3.施設種別
(「○県認可保育所」「子ども・子育て支援法第7条第4項に定める教育・保育施設」等、算定対象施設ということがわかる文言が必要)
4.雇用形態
(「常勤」または「1日6時間以上かつ月20日以上の勤務」がわかる文言が必要)
5.雇用期間
6.法人の代表者名および社印
※各自治体によって、項目が異なる場合もございますのでご確認下さい。

【よくある不備事例ベスト3※当社調べ
1位:施設種別の記載漏れ
・圧倒的に多い不備はこれです!「○○保育園」という施設名は記載されているのですが、必要なのは施設名ではなく「○県認可保育所」とか「子ども・子育て支援法第7条第4項に定める教育・保育施設」等、算定対象施設ということがわかる文言が必要になります。例えば「○○保育園」とか「○○園」と施設名のみの記載だった場合、それが認可保育所なのか認証保育所なのか認可外保育所なのか企業主導型保育所なのか託児所なのか、はたまた児童養護施設なのか介護施設なのかとなり、そもそもの算定対象施設かどうかが判断できません。大概はHP等で調べればわかるのですが、在籍証明書に記載がないとNGになってしまいます。
2位:生年月日の記載漏れ
・事業者任意書式において生年月日の項目がないものが時々散見されます。
3位:発行日の日付
・在籍証明書として有効なのは発行日の日付までになりますので職員の退職後の日付で発行をお願いいたします。よくある例として3月31日に退職予定の現職の職員の在籍証明書の発行日が3月26日とかになっているケースがあります。この場合は3月26日までが経験年数として算定されます(極々希少な例ですがこの算定されなかった5日間の差によって平均経験年数が1年変動することもありえます)

【審査する行政側の対応による問題点】
 原則、先に述べた必須6項目の記載がないと在籍証明書として無効になるのですが、行政によっては施設種別や生年月日の記載が漏れていても行政判断(HP等で調べればわかるため)で有効としてくれる行政があります。これは23区内のごく一部行政でも見られますが特に23区外の行政に多く見られます。そのため発行元事業者や職員(保育士等)に再取得依頼をした際に「今まではこの内容で問題なかったのになぜ今回はダメなのか」「前職でもこの内容で会社に提出したけど再取得を求められなかった」という声をいただき、より事態を複雑化してしまっております。
 結論から言うと「当時の所管行政では良かったかもしれないが、今所属しているしている施設の所管行政ではNGなので再取得(再発行)をお願いします」となります。一部の行政のご厚意によって本来NGであるはずの在籍証明書がOKとなることは事業者側としてはありがたい側面もあるのですが、一方で事業者側が在籍証明書の取り扱いを正しく認識する機会を喪失することになっておりますので私たち事業者側自身が目的・用途を正しく理解する必要が必要不可欠になります。

 

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